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請願第6号
令和6年3月1日受理
国に対し「訪問介護の基本報酬の引き下げ撤回と、介護労働者の全産業平均の
賃金保障を求める意見書」の提出を求める請願
紹介議員 野口 あけみ
佐野 ひろみ
請願趣旨
介護保険は施行23年を経過しました。介護を家庭が担うものから社会が担うことへの
前進はありました。しかし、予想されていた超高齢化社会・単身家庭の増加などに適応で
きず制度創設時と同じ仕組みの保険で賄うことには限界が来ています。それゆえ必要なサ
ービスを利用できない実態が広がっており、家族介護を理由とした離職も高くなる一方で
す。介護事業所では、深刻な人手不足と、経営難が続いており、コロナ禍や異常な物価高
はこの事態を一層加速させています。
そんな中、4月1日から適用される介護報酬単位が国から公表され、訪問介護(身体介
護、生活援助、通院等乗降介助)の基本報酬が引き下げられています。これでは、今でさ
え綱渡りの単独型小規模事業所の経営が極端に悪化し、閉鎖倒産が相次ぐことになります。
わずかに残る事業所も人手不足に拍車をかけ、職員は疲弊し、過労自殺などの悪循環も生
まれるかもしれません。在宅介護の命綱である、地域に根差した単独型の訪問介護が減っ
ていけば、一人暮らしや老老世帯はたちまち「介護難民」になり、介護が必要になっても
尊厳ある人生を生きることができなくなります。地域社会においても、いわゆる「ごみ屋
敷」や「孤独死」など、その地域の大きな課題になっていきます。
介護従事者の処遇改善は、介護報酬を加算し利用者負担という方法で、全産業平均と比
べて月額7万〜8万円低い介護職員の賃金を改善するには、ほど遠い水準です。このまま
では、現在の慢性的な人手不足の解消も2040年には約69万人の増員を必要とする介
護職員の確保もできません。国の負担、財政出動で抜本的賃上げを保障することなしには、
人手不足により介護保険制度の理念そのものが破綻してしまうと危惧いたします。
つきましては上記の趣旨をふまえ、国に対して下記の項目の意見書を採択してください。
請願事項
次の2点を地方自治法第99条の規定による意見書として国に提出すること。
1 訪問介護の基本報酬の引き下げを撤回すること。
2 すべての介護労働者に対し、全産業平均の賃金保障を制度化すること。
請願者 西宮市染殿町3−11 酒井ビル1階
平和と福祉のまち西宮をつくる会
代表 廣田 和也