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請願第14号
令和3年9月6日受理
すべての学年でただちに35人学級を実現することを求める請願
紹介議員 ひぐち 光冬
一色 風子
よつや 薫
請願趣旨
2020年度はコロナ禍によって全国一律休校が行われ、学校という子どもたちの学ぶ
権利を保障し安心安全に過ごすことのできる居場所が奪われることになりました。学校が
再開されるとほとんどの学校で分散登校など、密集を避け、できるだけ少人数に分ける対
応がとられ、子どもたちのいのちと健康を最優先にするとりくみがすすめられました。そ
うした中で、少人数での授業や学校生活の良さが実感を持って子どもたちにも教職員にも、
そして保護者にも伝わり、コロナ禍のもとで子どもたちのいのちと健康を守り、成長と発
達を保障するため、少人数学級の実現を求める声は大きなうねりとなりました。
2021年3月31日、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関す
る法律(以下、義務標準法)の一部を改正する法律」が成立し、4月1日から小学校2年
生の学級編制標準が35人になりました。しかし、5年かけて小学校だけを35人以下学
級にすることはスピード感もなく、いま小学校3年生以上の子どもたちにとってはまった
く恩恵のない「改善」です。計画を前倒しして小学校全学年の35人以下学級を早急に実
施し、中学校・高校や特別支援学校・学級でも学級規模縮小をすすめることが求められま
す。これに対し、菅首相は中学校の35人以下学級の必要性について「中学校を念頭に申
し上げました」と言及しています。
日本の40人学級は国際標準から大きく遅れています。OECDインディケータ2020
によれば、「1学級当たりの児童生徒数」のOECD平均は小学校21. 0人・中学
校23.2人に対し、日本は小学校27.2人・中学校32.1人と非常に多いことがわ
かります。その原因は日本の教育予算が国際的に見ても少なすぎるからです。OECDイ
ンディケータ2020によれば2017年の日本の公財政教育支出の対GDP比は2.9
%でOECD加盟38か国中、下から2番目の低さです。せめてOECD諸国平均の4.1
%まで教育予算を増やせば、すべての学校の少人数学級と幼稚園から大学までの教育無償
化を実現することができます。子どもたちのいのちと健康を守り、成長と発達を保障する
ためにOECD諸国並みの「20人学級」がいまこそ求められています。
義務標準法改正案は、8つの附帯決議が付けられ、衆参ともに全会一致で成立しました。
附帯決議には、@中学校・高校の少人数学級の検討、A必要な加配定数を削減することな
く確保するための安定的な財源措置、B教員免許更新制の大幅な縮小や廃止を含めて教員
の確保や負担軽減、C義務教育費国庫負担金及び地方交付税の財源確保、D学級編制標準
引下げの効果検証については「学力」だけでなく指導方法・学習環境改善や不登校、発達
障害など特別なニーズを持つ子どもへの対応などを含め総合的に行うこと、E小学校高学
年の教科担任制は教員の定数増を含め検討し、小学校教員の持ち授業時数の軽減を図るこ
と、F教育職員免許法の抜本的な見直しを含む検討、G計画的な教員定数改善によって地
方が必要な教員を正規で採用・配置するよう促し非正規教員が増加することのないように
すること、が書き込まれました。いずれもゆきとどいた教育を実現するために必要なこと
で、今後、国は早急にその着実な実行をすすめるべきだと考えます。
請願事項
下記の事項について国及び関係機関に対して意見書を提出していただくよう請願します。
1 国の責任で小・中学校のすべての学年で、ただちに少人数35人学級を実現すること。
請願者 西宮市門前町
全教西宮教職員組合
執行委員長 堀 恵子