意見書案第2号
建築物石綿含有建材事前調査及び除去費用の国民への周知と国民負担軽減措置を求める意見書提出の件
上記意見書案を次のとおり西宮市議会会議規則第14条第1項の規定により提出する。
令和5年9月19日提出
提出者 西宮市議会議員 渡辺 けんじろう
〃 野口 あけみ
〃 大川原 成彦
〃 坂本 龍佑
〃 澁谷 祐介
〃 たかの しん
〃 多田 裕
〃 田中 あきよ
〃 花岡 ゆたか
〃 松山 かつのり
建築物石綿含有建材事前調査及び除去費用の国民への周知と国民負担軽減措置を求める意見書(案)
昭和45年から平成2年にかけて年間約30万トン、平成16年までに約1000万ト
ンものアスベストが諸外国から日本に輸入され、主に建材として使用されてきた。そして
現在、アスベストの使用等が全面的に禁止となった平成18年9月1日以前に建設された
既存の民間住宅の解体・改修工事におけるアスベスト暴露による健康被害が懸念されてい
る。
国の補助制度として、社会資本整備総合交付金の「住宅・建築物安全ストック形成事
業」があるが、@対象建材が吹付け材(レベル1)などに限定され、A補助金額が費用の
一部になっているなど、極めて不十分な制度となっている。また、一般住宅や小規模ビル
等で使用されている石綿建材の多くは、成形板(レベル3)であり、戸建てや小規模ビル
等では実質使えない制度となっている。
また、アスベスト関連法(大気汚染防止法・石綿障害予防規則)が改正され、大気汚染
防止法においては、すべてのアスベスト含有建材が規制対象となり、令和4年4月からは
事業者が実施したアスベスト有無に関する事前調査結果について行政への報告が義務付け
られ、その対象工事は、80平方メートル以上の解体工事又は100万円以上の改修工事
であり、大多数の解体・改修工事が対象となっている。
国は規制の強化を打ち出しているが、調査・除去費用は建物所有者である国民が負担す
ることとなる。アスベスト含有建材の調査や処分には多額の費用が必要となることから、
その負担を避けるために無届けや違法工事が横行するようなことになれば、国民や解体・
改修工事事業者の健康被害につながることが懸念される。また、アスベストの健康被害や
アスベスト関連法の改正、そして、調査・除去の義務化、その費用の施主負担について、
国民への周知が不十分であることも課題である。
よって、国におかれては、アスベストの対応について、国民全体で正しく向き合える環
境を整備するため、下記の事項に取り組まれるよう要望する。
記
1 アスベストの健康被害やアスベスト関連法の改正について再度、国民に周知すること。
2 アスベスト含有建材の有無の事前調査とアスベスト除去の費用については施主負担で
あることを国民に周知すること。
3 国土交通省「住宅・建築物安全ストック形成事業」にある「住宅・建築物アスベスト
改修事業」について、一般住宅にも使えるよう、レベル3建材までの調査・除去費用を
補助対象とし、制度を拡充すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和5年9月 日
西宮市議会
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官
厚生労働大臣
国土交通大臣
環境大臣