意見書案第14号
精神保健医療福祉の改善を求める意見書提出の件
上記意見書案を次のとおり西宮市議会会議規則第14条第1項の規定により提出する。
令和2年12月16日提出
提出者 西宮市議会議員 篠原 正寛
〃 佐藤 みち子
〃 大迫 純司郎
〃 かみたに ゆみ
〃 河崎 はじめ
〃 多田 裕
〃 山口 英治
〃 よつや 薫
精神保健医療福祉の改善を求める意見書(案)
令和2年3月、入院患者を虐待したとして神戸市西区の神出病院の看護師ら6人が逮捕
された。同4月に厚生労働省が実施した調査では、精神科病院でこの5年間に看護師等に
よる虐待が疑われる事例は全国で72件あるとの結果が出た。これは最早、個々の精神科
病院の問題ではなく、国内の精神科病院全ての問題である。
全ての人の人権が尊重され、誰もが、地域社会の中でその一員として安心して暮らし続
けられるよう、患者・利用者本位の精神保健医療福祉の改革が必要である。
よって、国におかれては、下記の事項を実現することを強く要望する。
記
1 精神科病院の実態を調査しその対策を協議するため、家族や当事者も含めた第三者人
権機関設置を検討すること。
2 病院を障害者虐待防止法の通報義務の対象に追加すること。
3 精神医療審査会に、精神障害者の家族や当事者を委員として加えるよう制度改正をす
ること。
4 精神科医療機関が患者に対する身体拘束や隔離をできるだけ少なくするため、余裕あ
る良質な医療を提供できるよう、急性期の精神障害者のみでなく、急性期以外の全ての
精神障害者をも対象として、精神科専門職の人員配置基準を引き上げること。
5 治療方針の意思決定支援の充実、インフォームドコンセントの徹底、更には、SDM
(共同意思決定)を取り入れること。
6 新型コロナウイルス感染拡大防止のためとして、一律に全く面会を許さない病院があ
るが、精神障害者においては家族や支援者との面会は非常に重要な場合がある。コロナ
禍の状況においても、一律の禁止ではなく、十分な対策を取りつつ一定の面会ができる
ように、病院に柔軟な対応を勧告すること。
7 入院中心の政策から、地域で生活することを中心とした政策へ転換を進める移行期に
おいて、精神科病院に対する財政支援や、精神科病院の職員が心にゆとりをもって働く
ことができるよう、人員増員等による労働環境の整備充実、教育・研修等の措置を講じ
ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和2年12月 日
西宮市議会
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣