意見書案第6号
ガソリンの容器への詰め替え販売について法的規制を求める意見書提出の件
上記意見書案を次のとおり西宮市議会会議規則第14条第1項の規定により提出する。
令和元年9月18日提出
提出者 西宮市議会議員 澁谷 祐介
〃 大迫 純司郎
〃 菅野 雅一
〃 草加 智清
〃 たかの しん
〃 八木 米太朗
ガソリンの容器への詰め替え販売について法的規制を求める意見書(案)
京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」の第1スタジオで7月18日、
発生した放火殺人事件が各方面に衝撃を与えている。犠牲になられた方々にお悔やみを申
し上げ、負傷された方々のご回復を心からお祈りします。
この事件によって誰でも簡単に入手できるガソリンによって大量殺人が可能であるとい
う事実が改めて広まったことで模倣犯の発生が危惧されている。京都市消防局によると、
京都アニメーションはスタジオに消火器や非常警報設備を備えていた。防火管理者を置き、
設備の点検や防火訓練も行っており、消防法令上の不備はなかったとしている。万全な防
火対策を講じていても、犯行を企てた人物の侵入を許し、ガソリンをまかれてしまえば、
人的な被害を防げる余地は少ないという悲観的な見方が広がっている。
消防庁は7月25日、ガソリンスタンドの業界団体に対してガソリンの容器への詰め替
え販売の際、購入者に対する身分証の確認や使用目的の問いかけ、販売記録の作成をする
ことを要請した。詰め替え販売で購入するガソリンの使用目的は自家発電機や農機具など
の燃料としてである。これを受け、西宮市消防局でも市内35か所のガソリンスタンドに
立入検査を実施し、ガソリンの詰め替え販売の際の対応などについて指導した。警察庁も
7月25日、各都道府県警に対して不審者発見の通報への対応で消防機関との連携を求め
た。
身分証の確認などの継続は不正使用のためのガソリンの入手を制限するために重要であ
る。しかし、現状では、ガソリンスタンドの係員がガソリンの詰め替え購入者に協力を求
めているだけで、購入者から協力を拒否されても、ガソリンスタンド側にガソリンの販売
を拒否できる明確な法的裏付けはない。国としてガソリンスタンドでの取組について業界
団体に要望するだけでなく、ガソリンスタンドでの対応を支援するためにも身分証の確認
などを義務づけることを法制化する必要がある。
よって、国におかれては、下記の事項を実行することを強く求める。
記
犯罪抑止の観点から、ガソリンの容器への詰め替え販売について法的規制を整備するこ
と。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和元年9月 日
西宮市議会
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
国家公安委員長