意見書案第3号
35人以下学級の着実な推進と、義務教育費国庫負担制度の堅持・拡充に関す
る意見書提出の件
上記意見書案を次のとおり西宮市議会会議規則第14条第1項の規定により提出する。
令和元年9月18日提出
提出者 西宮市議会議員 山口 英治
〃 田中 あきよ
〃 花岡 ゆたか
〃 ひぐち 光冬
〃 町田 博喜
35人以下学級の着実な推進と、義務教育費国庫負担制度の堅持・拡充に関す
る意見書(案)
日本は、OECD諸国に比べて、1学級当たりの児童生徒数や教員1人当たりの児童生
徒数が多くなっている。また、障害者差別解消法の施行にともなう障害のある子どもたち
への合理的配慮への対応、いじめ・不登校などの課題など、学校をとりまく状況は複雑化、
困難化しており、学校に求められる役割は拡大している。
しかし小中学校の35人以下学級については、小学校第1学年は義務標準法改正、第2
学年については加配教員を配置する予算措置により実現したものの、小学校第3学年以降
は進展がない。そこでいくつかの自治体においては、地方自治体の予算措置による全学年
35人以下学級が実施されているが、本県では小学校3・4年生における新学習システム
の弾力的な運用による加配措置に留まっている。
文科省が2010年8月27日に策定した新・公立義務教育諸学校教職員定数改善計画
において、35・30人学級の推進を打ち出したものの、国による改善計画のない状況が
続いている。自治体が見通しを持って安定的に教職員を配置するためには、国段階での国
庫負担に裏付けされた定数改善計画の策定が必要である。一人ひとりの子どもたちへのき
め細かな対応や学びの質を高めるための教育環境を実現するためには、教職員定数改善が
不可欠である。
一方、義務教育費国庫負担制度については、2006年に国庫負担率が2分の1から3
分の1に引き下げられた。前述のようにいくつかの自治体においては、厳しい財政状況の
中、独自財源による定数措置が行われているが、国の施策として定数改善にむけた財源保
障をし、子どもたちが全国どこに住んでいても、一定水準の教育を受けられることが憲法
上の要請である。しかしそれを担保する義務教育費国庫負担制度の国負担割合は依然引き
下げられたままであり、保護者の非正規雇用化など社会情勢の変化により、教育条件にも
地方間格差などが生じている現状がある。
以上のことから義務教育に関わる国の教育予算をさらに確保・充実させる必要がたいへ
ん高まっている。
よって、国におかれては、下記の事項を実現することを強く要望する。
記
1 義務標準法の改正による35人以下学級を着実に推進すること。
2 義務教育費国庫負担制度について、制度を堅持するとともに拡充を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和元年9月 日
西宮市議会
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣