請願第15号 西宮市はり・きゅう・マッサージ施術費補助事業に関する請願
請願第15号
宮本 けいこ
一色 風子
佐野 ひろみ
田中 正剛
三好 さつき
村上 ひろし
山田 ますと
よつや 薫
請願第１５号
令和７年６月１９日受理
西宮市はり・きゅう・マッサージ施術費補助事業に関する請願
紹介議員 宮本 けいこ
一色 風子
佐野 ひろみ
田中 正剛
三好 さつき
村上 ひろし
山田 ますと
よつや 薫
請願趣旨
平素より、市政の発展と市民福祉の向上にご尽力いただき、深く感謝申し上げます。
このたび、私どもは「はり・きゅう・マッサージ施術費補助の見直し」による対象年齢
引き上げに関し、市民の健康と福祉の観点から再考を求め、慎重なご審議をお願いしたく、
以下の通り請願いたします。
現在、西宮市では、７０歳以上の市民を対象にはり・きゅう・マッサージ施術費補助券
が交付されています。しかし、財政構造の改善を理由に、この交付対象年齢を段階的に
７５歳以上へと引き上げる計画が、令和７年２月に策定されました。
本制度は、市民による署名活動や高齢者福祉の推進運動の成果として導入され、市民の
健康維持と生活の質向上に寄与してきた重要な施策です。制度縮小の影響を懸念する市民
の声は非常に大きく、この補助券についてはすでに約１,９００筆超の署名が集まってお
ります。この署名数は、市民が本制度維持改善の必要性を強く認識し、市政に対して積極
的に意見を表明していることの証左でもあります。
人生１００年時代を迎え、健康寿命の延伸と医療・介護費の抑制が重要な課題となって
います。鍼灸やマッサージは、身体機能の維持・改善に寄与し、健康寿命を延ばす効果が
認められており、その活用を促進することが、結果的に市の福祉財政の健全化にも資する
と考えます。
財政負担軽減のために補助制度を縮小することは、かえって中長期的な財政負担を増大
させる可能性があります。市民の健康維持・生活の質向上を目指し、本制度の交付年齢を
引き上げる見直しの計画を撤回するよう、ここに請願いたします。
（請願理由）
１ ７０代前半は健康維持・介護予防の鍵となる時期
厚生労働省の調査によると、日本人の健康寿命（要介護状態を伴わない期間）は、
２０２２年時点で男性７２．５７歳、女性７５．４５歳（※１）です。７０歳を過
ぎると要支援・要介護状態になるリスクが高まるため、早期の予防介入が重要です。
２ 未病段階での介入の効果
鍼灸施術は、筋緊張、慢性疾患の症状軽減に寄与することが多くの研究で示され
ています（※２）。高齢者の転倒や閉じこもり、うつ予防に効果が期待され、施術
を受けることが生活機能の維持につながります。
３ 医療・介護費の抑制＝社会保障にかかるトータルコストの観点
鍼灸・マッサージは、慢性疾患の進行を抑え、通院頻度や医療処置の必要性を軽
減する効果が期待されます。できるだけ早期に施術を受けていただくことで、高齢
者の生活の質（ＱＯＬ）向上を図るとともに、市の福祉財政の持続可能性にも貢献
します。
※１：厚労省の健康寿命データ https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001363069.pdf
※２：Vickers AJ et al. (2018). “Acupuncture for Chronic Pain: Update of an Individual Patient Data Meta-Analysis”. J Pain. 2018 May;19(5):455-474.
請願事項
はり・きゅう・マッサージ施術費補助の見直し計画を撤回し、対象年齢を「７０歳以上」
とする現行の制度を維持することを求めます。
請願者 西宮市与古道町
一般社団法人日本保険鍼灸マッサージ師会
会長 藤岡 東洋雄
ほか２団体