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件名

請願第10号 西宮市立学校給食費を緊急に引き下げることを求める請願

請願番号

請願第10号 

付託委員会

付託委員会
教育こども

議決結果

議決日
令和6年7月4日
議決結果
不採択

紹介議員

庄本 けんじ

内容

請願第10号

令和6年6月21日受理

西宮市立学校給食費を緊急に引き下げることを求める請願

                                 紹介議員 庄本 けんじ

請願趣旨

 日本国憲法は第26条で「義務教育はこれを無償とする」とし、教育基本法は第4条で
「すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければなら
ず(中略)教育上差別されない」とあります。義務教育の無償や教育の機会均等は子ども
の権利であり、学校給食は本来、無償であるべきで、それを担うのは、国・県・市などで
あると考えます。
 しかし学校教育費の実際は、副教材、制服、体操着、学用品、給食、修学旅行積立金な
ど多くを家庭が負担しており、中でも、給食費負担は、文科省の「学校給食実施状況調査」
(2023年5月1日現在)によれば、公立小学校が年間に51,568円(同調査で
2021年は49,247円)、中学校が59,037円(同56,331円)と前回調
査から約5%負担が増しかつ大きな割合を占めています。
 2020年以降のコロナ禍さらに2022年のロシアのウクライナ侵攻などが世界経済
へ大きな影響を及ぼしました。加えて現在は、円安の異常な進行で、輸入品(エネルギー、
食糧、飼料、原材料など)の価格高騰を招き、物価高騰が止まりません。とくに食糧費な
どの物価高騰は、家計がきびしい世帯ほど生活困難な状況を生みだしていると考えられま
す。
 国民生活は、1990年代中頃からの大規模な非正規雇用化などによって賃金が抑制さ
れ現在に至るまで低迷し続けています。さらに、政府などが発表する各指標―実質賃金は
25カ月連続過去最長で下がり続けています。加えて、エンゲル係数は、2023年に
40年ぶりの高水準となり、住民の消費生活が極めて厳しい状態であることを示していま
す。
 このような生活状況にある中、給食費について西宮市は、2022年10月から
2023年3月まで国の「地方創生臨時交付金」を活用し、学校給食費を無料としました。
この6か月間の経験は、無償化の様々な利点を可視化しました。その後2023年4月に
「大幅な物価上昇が続いている」として、小学校は250円から275円に、中学校は
297円から325円に改定しましたが、「保護者の皆様の負担を軽減するため」として、
2023年度については「保護者負担額を改定前の金額のまま実質的に据え置く」措置が
取られました。ところが西宮市は、2024年4月から前述の厳しい市民生活の現状を顧
みることなくこれを廃止しました。
 今、全国を見渡せば、2022年の国の施策実施を契機として恒久化を見据えた上での
学校給食無償化、学校給食一部無償化の流れはいっそう大きな広がりを見せています。そ
の実施自治体もかつては人口規模の小さい自治体に多く見られましたが、近年は都市部の
自治体にも広がりつつあります。
 例えば、大阪市では2020年度より給食費無償化を実施しました。東京都は2024
年1月、都内区市町村の給食費負担の半額を補助するという方針を示し、これを受けて4
月から23区すべてで都と区の負担で小中学生対象の無償化を実施しています。青森県で
は、2024年10月から都道府県で初めて県内の全小中学校で無償化となります。その
ために2024年度の予算に市町村への交付金として約20億円を計上しました。県内で
は、相生市、加西市、香美町、新温泉町が完全無償化を実施し、近隣では伊丹市が中学校
の給食費を4月から無償としました。尼崎市、宝塚市、三田市、神戸市では今年度も20
23年度の額のままで据え置いています。
 給食費を無償とする取り組み、物価高騰分の公費負担は、物価高騰や貧困家庭の増加な
ど、社会的課題に対応し、かつ十分な栄養価を確保するために行われており、子どもたち
の「生きる権利や成長する権利」の保障を担保するために重要です。
 昨年4月に、市が保護者負担軽減のために改定前の金額に据え置くという条例改定をさ
れた際の理由と推察する物価高騰はその後もとどまらず、むしろますます上昇しています。
暮らし向きが困難な家庭にとってはいっそう厳しい家計状況に陥っていると推察します。
また、学校給食を提供する現場では、子どもたちの成長に必要な栄養価を十分に確保する
ために様々な工夫を行っていますが、物価高騰により、費用範囲内での対応も限界にきて
おり、子どもの健全な成長への影響も危ぶまれます。
 これらの状況を総合的に考え、家計負担を減らし、安全・安心かつ栄養価が確保された
給食を実施するため、学校給食費の引き下げなど、価格高騰分を西宮市が補填する措置を
緊急に講じて頂くことを切望します。なお財源については、市財政の再検討、国が措置し
ている「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」の活用など幅広く検討すべきである
と考えます。

請願事項

1 緊急に西宮市公立学校の給食費を引き下げてください。

                         請願者 西宮市末広町
                               西宮市の学校給食費無償化を進める会
                                代表 合田 幸美

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