請願第6号 35人以下学級の着実な推進と、義務教育費国庫負担制度の堅持・拡充に関する請願
請願第6号
岩下 彰
請願第6号
令和2年6月26日受理
35人以下学級の着実な推進と、義務教育費国庫負担制度の堅持・拡充に関す
る請願
紹介議員 岩下 彰
請願趣旨
西宮市議会におかれましては、教育施設や教育環境など教育諸条件の整備などに努力し
ていただいていることに深く敬意を表します。
日本は、OECD諸国に比べて、1学級当たりの児童生徒数や教員1人当たりの児童生
徒数が多くなっています。また、障害者差別解消法の施行にともなう障害のある子どもた
ちへの合理的配慮への対応、いじめ・不登校などの課題など、学校をとりまく状況は複雑
化、困難化しており、学校に求められる役割は拡大しています。また、今年度は感染症予
防の観点からも、子ども同士の間隔を広くしたいところですが、現在の児童生徒数では対
応に苦慮しているのが現状です。
小中学校の35人以下学級については、小学校第1学年は義務標準法改正、第2学年に
ついては加配教員を配置する予算措置により実現したものの、小学校第3学年以降は進展
がありません。いくつかの自治体においては、地方自治体の予算措置により全学年35人
以下学級が実施されていますが、本県では小学校3・4年生における新学習システムの弾
力的な運用による加配措置に留まっています。
文科省が新・公立義務教育諸学校教職員定数改善計画(2010.8.27)において、
35・30人学級の推進を打ち出したものの、国による改善計画のない状況が続いていま
す。自治体が見通しを持って安定的に教職員を配置するためには、国段階での国庫負担に
裏付けされた定数改善計画の策定が必要です。一人ひとりの子どもたちへのきめ細かな対
応や学びの質を高めるための教育環境を実現するためには、教職員定数改善が不可欠です。
一方、義務教育費国庫負担制度については、2006年に国庫負担率が2分の1から3
分の1に引き下げられました。前述のようにいくつかの自治体においては、独自財源によ
る定数措置が行われていますが、国の施策として定数改善にむけた財源保障をし、子ども
たちが全国どこに住んでいても、一定水準の教育を受けられることが憲法上の要請です。
しかしそれを担保する義務教育費国庫負担制度の国負担割合は依然引き下げられたままで
あり、保護者の非正規雇用化など社会情勢の変化により、教育条件にも地方間格差などが
生じている現状があります。
以上のことから義務教育に関わる国の教育予算をさらに確保・充実させる必要がたいへ
ん高まっております。
そこで次の事項の実現について地方自治法99条の規定に基づき、国の関係機関等へ意
見書を提出していただきますよう要請いたします。
請願事項
1 義務標準法の改正による35人以下学級を着実に推進すること。
2 義務教育費国庫負担制度について、制度を堅持するとともに拡充を図ること。
請願者 西宮市神祇官町
西宮市教職員組合
執行委員長 見澤 光徳
ほか1団体